R.シュトラウス:英雄の生涯

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   1998
   ユニバーサルクラシック
   シュピーラー(レオン),
   ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
   R.シュトラウス
   カラヤン(ヘルベルト・フォン)


【レビュー】
  『英雄』『偉人』と後世の人間達が賞賛しそう呼ばれている人々も、自らの意志や信念で行動を決断する時には我々と変わらない「等身大」の人間として苦悩し孤独に苛まれたと思います。
私はこの『英雄の生涯』を聴くたびにそんな彼らに思いを巡らせます。

作曲者のリヒャルト・シュトラウスは、青年期には自らの音楽作品が当時では斬新過ぎて聴衆に受け入れられずに苦悩していたそうです。
しかし絶対の自信をもって音楽の王道を邁進していた彼は、その日の目が出始めた34歳にして、
自分の生涯を描いた(今後を予想した!)管弦楽作品を発表しました。
それが交響詩『英雄の生涯』です。

 では何故この作品がシュトラウス自身の生涯であるのか?
それは「第5部:英雄の業績」にて今までの自らの作品である「ドン・ファン」「ツァラトゥストラかく語りき」
「ドン・キホーテ」「グントラム」等のフレーズが余すところ無く盛り込まれて演奏されるからです。

 正確なものではありませんが「楽想」は次のように「6部構成」にほぼ纏められます。
   「第1部:英雄」
   「第2部:英雄の敵」
   「第3部:英雄の伴侶」
   「第4部:英雄の戦場」
   「第5部:英雄の業績」
   「第6部:英雄の引退と完成」これらは切れ目が無く演奏されます。

それはまさに音で聴く『英雄物語』『偉人伝』のようで、壮大な爽快感と重厚な大河ドラマを満喫した後のような「恍惚感」に浸ることが出来ます。
壮大でかつ繊細なオーケストレーションが要求されるため、熟練を極めた指揮者とオーケストラにしか演奏出来ない『難曲』でもあります。
そのためこの曲を日本のオーケストラが生演奏で聴かせてくれることが殆どありません。

頑張れ!邦人オーケストラ!

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