西村真悟 論文紹介

西村真悟 論文紹介

掲載雑誌:月刊日本 2月号 p.136~139

発行所:株式会社K&Kプレス

コラム名:歴史に学ぶ(十九)  

      「国家衰退すれば、生活を以って理想とす」


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【論文より抜粋】
さて、このようなアメリカ世論の動向を眺めたうえで、現在の我が国に戻りたい。
我が国においては、「経済」というよりも「生活」が全面に出てきている。
ある党は、「生活第一」とポスターに印刷している。
アメリカ流に、「生活だよ、馬鹿!」と言いたいようである。
明らかに、アメリカの大統領選挙を制した標語の影響を受けている。
 しかし、アメリカで言う「経済」というのは、国民経済のことであると思うが、
日本の「生活第一」とは個々人の生活のことであろう。
従って、我が国の政治は、極めて矮小化された標語を使っている。
 されに指摘しなければならないのは、既に述べたように、アメリカの経済という標語の背景には、
完璧な国防体制と軍事領域に対するアメリカ国民の強い関心があるということである。
しかし、我が国の「生活」への関心を煽る標語の背景には、軍事に関する関心は皆無と言ってよい。
これが日米の決定的な違いである。
我が国の政界は、表面上アメリカの標語を真似しているが、その内実は日米は全く異なる。

(中略)

国家衰退すれば、生活を以って理想とす(徳富蘇峰翁)
ドゴールはケネディに次のように言った。
「アメリカは核攻撃を受ける危険を承知のうえでフランスに核の傘を提供できるのか」。
これに対してケネディは顔面蒼白になったと言われている。
答えは明らかである。
アメリカは自ら核攻撃を受けるのを承知の上で他国を守れる国ではない。
従って、現在我が国は、民族の生存のために「ドゴール大統領のような考え方」を実施する国防上の
必要性に迫られている。
即ち、ドゴールのフランスのように、我が国も自らの力で核抑止力を確保しなければならない。
しかるに、今我が国では、「生活第一」というのが流行して、無感覚に、ドゴールの考え方と
反対の方向に流れている。
無自覚な属国化に向かっていると言える。
キューバ危機の最中に、ケネディが「経済だよ、馬鹿」と言っているようなものである。
ケネディがキューバにあるソビエトのミサイルを容認していたら日本を含む西側諸国の
命運はどうなっていたか。
我が国の現状は、キューバ危機当時のアメリカよりも厳しいのに、
佐藤総理以降の我が国政治「劣化」(痴呆化)は、極めて著しい。        

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