西村真悟 論文紹介

西村真悟 論文紹介

掲載雑誌:月刊日本 12月号 p.126~129

発行所:株式会社K&Kプレス

コラム名:歴史に学ぶ(二十九) 

       国家戦略なき鳩山政権


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【論文より抜粋】

先ず第一に、戦時の内閣総理大臣兼陸軍参謀総長の東条英機は、「独裁者」か。
東京裁判に従うなら「独裁者」だろう。
しかし、考えてみれば、彼東条英機は、帝国海軍に対する指揮権は持っていないのである。
海軍に対する指揮権無き独裁者など存在し得ない。
仮に、総理大臣が東条のような軍人ではなく、文民であれば、その総理大臣は、
陸海軍に対する指揮権を有しないことになる。
つまり、我が国は軍隊を統括して総力戦を戦うための最高指揮官(commander)を持たずに
未曾有の大戦争に突入していたのだ。

(中略)

先の大東亜戦争は無謀な戦争であり、勝つ見込みのない戦争であった。
その戦争に突入した指導者には、敗戦の責任があるとよく言われる。
しかし私は、東条内閣が大本営政府連絡会議において昭和16年11月15日に策定した
「対米英蘭蒋戦争終末促進に関する腹案」を統一した最高指揮権のもとに
陸海軍統合運用のもとで堅持すれば、インド洋は海軍によって制圧され、インドは独立し、
英軍と蒋介石は屈服し、アジアにおけるアメリカの戦争継続は不可能となっていたと
確信している。

しかし、この「腹案」の堅持を不可能にしたのが明治36年の戦時大本営条例の改定であった。
今振り返れば、如何に馬鹿な体制で大戦争に臨んだのかと慨嘆する。
しかし、明治に発する制度的な不備の犠牲となった東条内閣を笑うなかれ。
今の鳩山内閣はそれ以上に無知蒙昧である。
戦後体制がこのような内閣と歪な政治家を作ってきた。その結果がこれだ。
いずれ惨害が国民に降りかかる。

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